10 年間、お菓子を作れなかった
お菓子作りが好きで、長年自宅で小さな教室を開いていました。
月に数回、生徒さんが集まってケーキやクッキーを作る。
笑い声が絶えない時間が、何よりの楽しみでした。
でも、母の介護が始まったのを機に、教室をお休みすることにしました。
「落ち着いたら再開しよう」と思いながら、気づけば 10 年が経っていました。
母を見送ったのは、2 年前の秋のことです。
介護が終わって、最初にしたこと
そして、気持ちが少し落ち着いた頃、久しぶりにキッチンに立ちました。
スポンジケーキを焼こうとして、手が止まりました。
作業台が狭い。道具をしまった場所が思い出せない。
10 年前と同じキッチンなのに、なぜか使いにくく感じました。
そこで、「そうか、私が変わったんじゃなくて、キッチンが合わなくなったんだ」
気づいたのがきっかけでした。
「また教室をやりたい」と伝えた
プランナーさんに、正直に話しました。
まず、お菓子教室を再開したいこと。
さらに、生徒さんと向き合いながら作れる場所にしたいこと。
すると、プランナーさんは「それなら、対面できる形にしましょう」と、
半円形のカウンターを提案してくれました。
というのも、カウンター向きにスツールを並べれば、
生徒さんがカウンター越しに手元を見ながら話を聞ける。
そして、背面にはオープンシェルフとたっぷりの収納を設け、
道具がすべて定位置に収まる設計にしてもらいました。
「見た目と使い勝手を両立させましょう」という言葉が、ずっと頭に残っています。
完成後に、生徒さんを呼んで
そして、工事が終わった週末、昔からの生徒さんを 3 人呼びました。
すると、カウンターに座った瞬間、「わあ」と声が上がりました。
以前のキッチンとは別世界の、明るくて開いた空間。
さらに、ペンダントライトの下で並んでタルトを作りながら、
10 年前と変わらず笑い声が絶えませんでした。
帰り際、ひとりがこう言いました。
「また、こうして通えることがうれしい」と。
つまり、その言葉を聞いて、やっと「再開できた」と実感しました。
キッチンは、私の「ステージ」だった
子育て中は家族のためのキッチン。
一方、介護中は自分を後回しにしたキッチン。
でも、本当は、このキッチンが私の一番好きな場所でした。
道具を並べ、生地をこね、焼き上がりを待つ時間。
そして、それを誰かと一緒に過ごせること。
実は、リフォームはキッチンを変えただけじゃなく、
10 年間しまっていた気持ちを、もう一度開いてくれました。
「そろそろ自分の番」と感じている方に、この気持ちが届けばいいなと思っています。
駒ヶ根市・65 歳・自宅教室主宰
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